夜のスーパーには昼間とは違う空気が流れている。
仕事帰りの人。
夕食を買う人。
値引きシールを探す人。
疲れた顔の人。
急ぎ足の人。
昼間のスーパーが生活の場だとしたら、閉店前のスーパーは一日の終わりが集まる場所なのかもしれない。
私はひとり暮らしを始めてから、閉店前のスーパーへ行く機会が増えた。
そして気付いた。
そこには独特の心理が存在している。
今回は「閉店前のスーパー心理学」について書いてみたい。
半額シールはなぜ魅力的なのか
閉店前のスーパーで最も目を引くもの。
それは半額シールである。
最初からその商品が欲しかったわけではない。
しかし半額になっていると急に魅力的に見える。
人間は不思議な生き物だ。
500円の商品には興味がない。
しかし250円になると欲しくなる。
必要かどうかではない。
得したいのである。
実際には買わなければお金は減らない。
それでも「半額だから買う」という行動を取る。
これは価格ではなく感情の問題なのだと思う。
ライバルが現れる
閉店前のスーパーには見えない戦いがある。
総菜コーナー。
弁当コーナー。
寿司コーナー。
皆が同じ方向を見ている。
そして目当ての商品を探している。
もちろん誰も争わない。
しかし空気はある。
「あの商品を取ろうかな」
そう思った瞬間に別の人が手に取る。
少し悔しい。
人間は失うことを嫌う。
買うつもりがなかった商品でも、他人に取られると欲しくなる。
不思議な心理である。
閉店前には人生が見える
私は閉店前のスーパーが好きだ。
理由は人間らしさが見えるからである。
高級レストランではない。
おしゃれなカフェでもない。
日常そのものだ。
仕事帰りのサラリーマン。
部活帰りの学生。
高齢者。
ひとり暮らしの人。
家族のために買い物をする人。
それぞれが自分の生活を抱えている。
スーパーのカゴの中を見ると人生が少し見える。
もちろん見すぎるのは失礼だ。
しかし人は食べるもので生活を作っている。
それが何となく伝わってくる。
疲れた日は判断力が落ちる
夜になると人間は疲れる。
私もそうだ。
本当は節約したい。
健康的なものを食べたい。
そう思っている。
しかし疲れていると変わる。
揚げ物。
カツ丼。
大盛り弁当。
そういうものが魅力的に見える。
脳が楽をしたがっているのだろう。
閉店前のスーパーは人間の本音が出る場所でもある。
昼間は理性的。
夜は本能的。
そんな違いがあるように感じる。
ひとり暮らしとスーパー
ひとり暮らしになるとスーパーとの距離が近くなる。
誰も買ってきてくれない。
誰も作ってくれない。
自分で決めるしかない。
今日は何を食べるか。
どれくらい使うか。
節約するか。
少し贅沢するか。
毎日が小さな選択の連続である。
そして閉店前のスーパーは、その日の最後の選択になることが多い。
だから記憶に残りやすい。
半額弁当は勝利なのか
半額弁当を買うと少し嬉しい。
得した気分になる。
しかし本当に勝利なのだろうか。
必要なものを安く買えたなら勝利だ。
しかし必要ないものまで買ったなら違う。
私は何度も経験している。
安かったから買った。
しかし翌日も残っている。
結局食べきれない。
それでは意味がない。
閉店前のスーパーは節約の場であると同時に誘惑の場でもある。
閉店前の静けさ
閉店時間が近づくと店内の空気が変わる。
人が減る。
音楽だけが流れる。
店員が片付けを始める。
何となく一日の終わりを感じる。
私はこの時間が嫌いではない。
一日が終わった。
今日も何とか生きた。
そんな感覚になる。
スーパーは単なる買い物の場所ではない。
生活の区切りを感じる場所でもある。
食べ物以上のものを買っている
スーパーで買っているのは食べ物だけではない。
安心感。
満足感。
ご褒美。
時にはストレス解消。
そういう感情も一緒に買っている。
疲れた日に好きな弁当を買う。
少し高い寿司を買う。
それだけで気持ちが楽になることがある。
食事は栄養だけではない。
心にも影響する。
だから人は食べ物に感情を乗せるのだと思う。
ソロ飯とスーパー
ひとり飯を続けているとスーパーは重要な存在になる。
コンビニより安い。
外食より自由。
自炊より楽。
その中間にある。
特に閉店前は独特だ。
生活感がある。
人間らしさがある。
だから私はつい足を運んでしまう。
まとめ
閉店前のスーパーには独特の心理がある。
半額シールに惹かれる心理。
他人に取られると欲しくなる心理。
疲れて判断力が落ちる心理。
そして一日の終わりを感じる心理。
ただ買い物をしているだけではない。
人間の感情がたくさん動いている。
ひとり暮らしを始めてから、そのことに気付いた。
閉店前のスーパーは節約の場所であり、誘惑の場所であり、人生の縮図でもある。
今日も誰かが半額シールを探している。
そして私もまた、その一人なのである。


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