一人で飲食店に入るのが恥ずかしい。
そんな感覚を持っている人は、意外と多いのではないだろうか。
牛丼屋やラーメン店ならまだ大丈夫。
でも焼肉は?
ファミレスは?
寿司は?
食べ放題は?
周りが家族やカップルばかりだったら、自分だけ一人で座っているのが気になってしまう。
私にも、そんな感覚はあった。
しかし一人外食を何度も繰り返しているうちに、少しずつ考え方が変わった。
では、もし一人外食を100回くらい経験したら、「恥ずかしい」という感覚は完全になくなるのだろうか。
今回は、一人でさまざまな店に入ってきた経験から考えてみたい。
最初は店に入るだけでも気になる
一人外食に慣れていない頃は、食べることより店に入る瞬間のほうが緊張する。
入口で店内を見る。
「一人でも大丈夫かな」
と考える。
グループ客が多いと、少し入りにくく感じる。
店員さんに、
「何名様ですか?」
と聞かれて、
「一人です」
と答える。
今なら何でもないやり取りだ。
でも慣れていない頃は、この「一人です」と言うこと自体を妙に意識していた。
別に悪いことをしているわけではない。
それでも気になる。
10回くらいでは、まだ周囲を見る
一人外食を何回か経験すると、店へ入るハードルは下がってくる。
牛丼屋。
ラーメン屋。
立ち食いそば。
カフェ。
こうした一人客の多い店なら、かなり楽になる。
それでも10回程度では、
「周りにも一人客がいるかな?」
と確認してしまうことがあった。
隣に一人客がいれば安心する。
逆に周囲が家族連れやカップルばかりだと、少し落ち着かない。
つまり、まだ自分ではなく周囲を基準にしている。
「一人でもいい」
ではなく、
「他にも一人がいるから大丈夫」
という状態だったのだと思う。
30回くらいから店選びが変わる
回数を重ねると、少し変化が出てくる。
「一人で入れる店を探そう」
ではなく、
「自分が食べたい店へ行こう」
と考えるようになる。
これは結構大きな変化だった。
以前なら、
「ここは一人では入りにくそうだからやめよう」
と思っていた店でも、
「食べたいから入ってみよう」
となる。
もちろん高級店や予約中心の店など、店のスタイルによって一人利用が難しい場合はある。
しかし普通の飲食店なら、一人客だからという理由だけで諦める必要はそれほどないと分かってきた。
一人焼肉は大きな壁だった
私にとって、一人外食の中でも焼肉は少し特別だった。
ラーメンなら一人客は珍しくない。
牛丼も同じ。
しかし焼肉は、
「みんなで食べるもの」
というイメージが強かった。
テーブルの中央にロースターがある。
肉を焼きながら会話する。
家族や友達と楽しむ。
そんな印象がある。
だから最初は一人で入ることに抵抗があった。
ところが一度経験すると、
「普通に食べられるじゃないか」
となった。
二回目は少し楽になる。
三回目はさらに楽。
何度も行けば、ほとんど普通の外食になる。
50回を超えると「一人」が情報ではなくなる
一人外食をかなり繰り返して気づいたことがある。
最初は、
「今日は一人で食べに行く」
と考えていた。
しかし慣れると、
「今日はラーメンを食べる」
「今日は焼肉」
「今日は定食」
と考える。
「一人で」という部分が消えてくる。
これは面白い変化だ。
一人で行くこと自体がイベントではなくなる。
単なる食事になる。
スーパーへ一人で買い物に行くのと同じ感覚に近づいてくる。
ここまで来ると、一人外食の恥ずかしさはかなり小さくなる。
本当に周囲は自分を見ているのか
そもそも、なぜ恥ずかしかったのだろう。
考えてみると、
「周りからどう見られるか」
を気にしていたからだと思う。
「あの人、一人で食べている」
と思われるのではないか。
寂しい人に見えるのではないか。
友達がいないと思われるのではないか。
でも何十回も一人外食をすると、一つの事実に気づく。
ほとんどの人は、こちらを見ていない。
隣のカップルは二人の話をしている。
家族連れは子どもの世話をしている。
会社員はスマホを見ながら昼食を食べている。
店員さんは仕事をしている。
一人客が一人増えたくらいで、わざわざ注目する理由がない。
自分だって他の一人客を覚えていない
逆の立場で考えると、もっと分かりやすい。
私は飲食店で何人もの一人客を見てきた。
しかし、その人たちの顔を覚えているか。
ほとんど覚えていない。
「あの店で一人でラーメンを食べていた男性」
を何日も覚えていることなどまずない。
相手も同じだろう。
自分が思っているほど、自分は他人の記憶に残っていない。
そう考えると、
「一人で食べていると思われたらどうしよう」
という心配自体がかなり小さくなった。
100回やれば完全に恥ずかしくなくなる?
では本題。
一人外食を100回経験すれば、「恥ずかしい」は完全にゼロになるのか。
私の答えは、
ほぼ消える。でも店によって少し残る。
だ。
ラーメン。
牛丼。
定食。
カフェ。
ファストフード。
こうした店なら、もはや一人であることをほとんど意識しない。
焼肉も回数を重ねれば普通になった。
しかし、明らかにグループ利用を前提にした店や、カップルばかりの空間なら、
「ちょっと一人だと浮くかな」
と思うことはある。
100回経験したからといって、人間の感覚が完全になくなるわけではない。
ただし、それを理由に店へ入れないことはかなり減った。
一人外食には自由がある
慣れてくると、一人外食のメリットも見えてくる。
まず、店を自分だけで決められる。
「何食べたい?」
と相談しなくていい。
ラーメンが食べたければラーメン。
焼肉なら焼肉。
昨日と同じ店へ行きたければ行けばいい。
さらに時間も自由だ。
食べ終わったら帰れる。
もっとゆっくりしたければ残る。
相手の食べる速度に合わせる必要もない。
この自由さを知ると、
「一人外食=寂しい」
というイメージが変わってくる。
一人だから味に集中できることもある
誰かと食べる食事には、もちろん楽しさがある。
会話をしながら食べる。
料理を分ける。
感想を言い合う。
これは一人飯にはない魅力だ。
一方、一人だからこその良さもある。
料理そのものに集中できる。
肉を自分の好きな焼き加減で食べる。
ラーメンが伸びる前に黙々と食べる。
スマホを置いて、ただ食事だけすることもできる。
どちらが上という話ではない。
一人飯には一人飯の楽しさがある。
「恥ずかしい」を消したのは回数だった
一人外食に慣れるために、特別なテクニックが必要だったわけではない。
結局、一番効果があったのは、
何度もやること。
だった。
最初は緊張する。
でも入る。
食べる。
何も起きない。
また別の日に行く。
また何も起きない。
この繰り返しだ。
「一人で店に入っても何も問題は起きない」
という経験が積み重なる。
その経験が、頭の中の不安を少しずつ小さくしていった。
最初から100回を目指さなくていい
だからといって、一人外食が苦手な人に、
「100回行けばいい」
と言いたいわけではない。
最初は一人客の多い店で十分だと思う。
カフェ。
牛丼屋。
ラーメン屋。
ファストフード。
一回行く。
大丈夫だったら二回目。
次は定食屋。
その次はファミレス。
慣れたら焼肉。
そんなふうに少しずつ範囲を広げればいい。
100回は目標ではなく、結果として積み重なっている数字くらいでいい。
一人外食100回で変わったこと
一人外食を何度も経験して、一番変わったのは店ではなかった。
自分の考え方だった。
以前は、
「一人で入って大丈夫かな」
と考えていた。
今は、
「今日は何を食べよう?」
と考える。
一人かどうかより、食べたいかどうか。
周囲にどう見られるかより、自分がその時間を楽しめるかどうか。
一人外食を100回くらい繰り返したら、「恥ずかしい」はかなり小さくなる。
完全なゼロではないかもしれない。
それでも、恥ずかしさより自由さのほうが大きくなった。
一人でラーメンを食べる。
一人で定食を食べる。
一人で焼肉を食べる。
それは特別な挑戦ではなく、普通の選択肢になる。
一人だから行けない店を減らす。
それだけでも、一人で過ごす休日や仕事帰りの選択肢はかなり増える。
私にとって一人外食100回で一番変わったのは、そこだった。


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