【ソロ寿司デビュー】渋川のかっぱ寿司に入れず悩んだ日。恥ずかしさは本当に必要?

Solo Eating Out(ひとり外食)

かっぱ寿司 渋川店の前まで行って、ドアの前で足が止まった。
もう何度も“一人回転寿司”の経験はあるのに、その日はなぜか胸がザワついた。

「店内が混んでいたらどうしよう」「家族連ればかりだったら浮くかな」
そんなことを考えた瞬間、手が自動的にポケットに入って、私は入り口の横に避けてしまった。

入口越しに店内をちらっと覗くと、土曜日の夕方らしい活気だ。
子ども連れの家族、カップル、友達同士…
“ひとりで寿司を食べに来た人”は、私の視界にはいなかった。

渋川の街に住んでいた頃、私はソロ飯が苦手だった。
誰かに見られている気がして、どう思われるかばかり考えていた。
かっぱ寿司の自動ドアの前で足が止まったのは、昔の感覚がよみがえったからかもしれない。

でも、本音を言えば私はその日、どうしても寿司が食べたかった。
朝からYouTubeで寿司動画を見て、完全にマグロ脳になっていた。
かっぱ寿司の赤シャリが無性に恋しくて、口の中が勝手に想像を始めていた。

それでもまた私は、入り口の脇でスマホを見ている“ふり”をした。
数十秒のつもりが、気づけば2分以上経っていた。

「このまま帰ったら、今日一日ずっと後悔する」
そう分かっているのに、どうしても一歩が出ない。
周りからするとただの客なのに、自分の中では“大きな挑戦”になっているのがわかった。

だけど、ふと視線をあげると、ひとりでスッと入っていく男性がいた。
ためらいなく、自動ドアを押して入っていく姿を見て、何かがふっと軽くなった。

「意味のない恥ずかしさって、たぶん自分の中だけで育ってるものなんだ」
そう感じた瞬間、私はようやく一歩前に進めた。

自動ドアがスッと開く音。
店内の照明が明るくて、思っていたよりずっと入りやすい雰囲気だった。
店員さんも普通に「お一人様ですか?カウンターへどうぞ」と案内してくれた。

席に着いてタッチパネルを見ると、さっきまでの不安が一気に消え、
「やっと来た!」という嬉しさが勝った。
結局、その日は中トロ、えんがわ、サーモン、茶碗蒸しまでしっかり楽しんだ。
まるで最初のためらいが嘘みたいに、心は軽く満たされていた。

そして思った。
あの入り口での2分間が、いちばん無駄だった。
入ってしまえば、ソロ飯なんて普通なの。
渋川のかっぱ寿司でさえ、一人で気兼ねなく楽しめる。

「一人で寿司って恥ずかしい?」
いや、大丈夫。
いちど入ってしまえば、恥ずかしさはゼロになる。
むしろ、好きなネタを好きな順番で食べられる最高の時間が待っている。

ソロ飯は、最初の一歩だけが難しい。
その一歩を超えた先には、自分のペースで楽しめる“自由な食の時間”が広がっている。

かっぱ寿司 渋川店の前で感じたあのドキドキも、今ではちょっと懐かしい。

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