七面鳥ってどんな味?実際に食べてみた感想と調理のコツ|ソロで試した記録

Solo Home Meals(家でひとりごはん)

七面鳥(ターキー)を初めて口にした日のことを、今でもけっこう鮮明に覚えている。
クリスマス用の丸鶏がセールになっていて、なんとなく好奇心で買ってみたのがきっかけだった。鶏肉は普段からよく食べるし、ササミや胸肉は筋トレ飯の定番。だけど七面鳥は、正直「ただのデカい鶏」だと思っていた。あの日までは。

解凍に丸一日、塩とハーブを擦り込み、バターを皮の下に潜り込ませる。オーブンに入れると、ゆっくりと脂が溶けて香りが立ち上がってくる。部屋の空気が少しずつ温かみを帯び、ローズマリーとガーリックが混ざった匂いが広がると、気分が急に宴会の準備みたいになる。料理って、味だけじゃなく空気まで変えてくるからおもしろい。

焼き上がりまで2時間。皮はこんがり、照りは鶏よりも控えめ。ナイフを入れると繊維がグッと詰まっていて、想像よりも引き締まっている。最初のひと口——

「お、あっさりしている…けど、深い。」

チキンより淡白。だけど水っぽさはなく、肉質がしっかりしていて噛むほどに味が出てくる。脂のコクは鶏ほど強くない。イメージで言うと、

鶏胸肉とローストビーフの中間
パサつきは少なく、ぎゅっと詰まった旨味

そんな印象だった。

塩だけで食べると素朴。グレービーソースをかけると一気に主役感が増す。
パンに挟むと最高で、翌日はサンドにして職場へ持って行った。冷めても美味しい。むしろ落ち着いた味になっていて、少しハムを思わせる。筋肉的にも嬉しい高タンパク低脂肪。PFCを見るとチキン並みに優秀で、罪悪感がないのがいい。

ただ、量がとにかく多い。丸一羽を買ったから3日くらい楽しめた。1日目はロースト、2日目はスープ、3日目はカレー。特にスープは絶品で、骨から取った出汁が驚くほどクリアで香り豊かだった。コンソメなんていらない。塩をひとつまみ、ネギとにんじんだけで十分満足できる。

もし七面鳥を一言で表すなら、

「淡白だけど噛むほどにうまい。じんわり幸せになる肉」

牛や豚のような濃厚な満足感とは違う。派手さはないのに、食べ終わる頃にはほっとする。体が「これいいね」と静かに言ってくる感じだ。

チキンで慣れた舌が、七面鳥の素直な旨味を「新鮮」と感じた。
普段の食卓に登場する日は少ないけれど、特別な日に焼くと空気が変わる。調理の手間も含めて、イベントそのものを味わう肉なのかもしれない。

また来年も焼こうと思う。
ゆっくり時間をかけて、あの香りとワクワクをもう一度楽しむために。

コメント

タイトルとURLをコピーしました