同じ店に30回通うと店員に顔を覚えられる?|一人飯で「常連」になる境界線を考えてみた

Solo Eating Out(ひとり外食)

一人で同じ飲食店に何度も通っていると、あるとき気になることがある。

「もしかして、もう店員さんに顔を覚えられている?」

1回や2回なら、ほとんど気にしない。

5回くらいになると、「前にも来たことがある客」くらいには見えているかもしれない。

10回、20回と増えていき、ついに30回。

ここまで通ったら、さすがに顔を覚えられているのだろうか。

もちろん、30回通えば必ず覚えられるという決まりはない。

店の規模、来店頻度、店員の勤務時間、注文内容、席、客数などによって大きく変わる。

それでも30回という数字は、一人客にとって一つの面白い節目だと思う。

今回は、同じ店に30回通うと何が変わるのかを、一人飯をする客の立場から考えてみたい。

1回目は完全な「知らない客」

初めて入る店では、自分も店のことを知らない。

店側も自分を知らない。

完全な初対面だ。

「一人でも大丈夫かな」

「どこに座ればいい?」

「注文方法は?」

「食べ終わったら食器はそのままでいい?」

初めての店では、料理以外にも小さなことが気になる。

特に一人外食に慣れていないと、店へ入る瞬間そのものが少し緊張する。

しかし一度食べれば、その店はもう「知らない店」ではない。

次に来たときは経験が一つある。

この差は意外と大きい。

2回、3回ではまだ常連ではない

気に入った店なら、もう一度行く。

さらにもう一度行く。

3回くらいになると、自分の側にはかなり安心感が出てくる。

入口を知っている。

注文方法もわかる。

だいたいの価格も知っている。

どんな席があるかもわかる。

ただ、店員から見れば、まだ大勢のお客さんの一人かもしれない。

毎日何十人、何百人と来店する店なら、3回来ただけで顔を覚えてもらえるとは限らない。

この段階では、

自分は店を覚えているけれど、店はまだ自分を覚えていない。

そんな関係でも普通だろう。

5回を超えると「前にも来た人」になる?

5回、6回、7回。

少しずつ回数が増えていく。

同じ曜日。

同じ時間帯。

同じカウンター席。

同じメニュー。

こうした条件が重なると、店員の記憶にも残りやすくなりそうだ。

例えば毎週火曜日の14時ごろ、一人で来て、いつも同じ定食を注文する。

これなら5回程度でも、

「この人、前にも来たな」

と思われる可能性はある。

反対に大型店で毎回来店時間が違い、店員も毎回違えば、もっと時間がかかるだろう。

つまり重要なのは、単純な回数だけではない。

30回という回数+来店パターン

で考えたほうがよさそうだ。

10回なら「顔を見たことがある」領域へ

同じ店に10回。

これは一人飯ではなかなかの回数だ。

10回行くということは、その店に何らかの魅力がある。

料理がおいしい。

安い。

近い。

一人で入りやすい。

静か。

店員との距離感がちょうどいい。

理由はいろいろある。

10回程度になると、同じ店員と何度も顔を合わせる可能性も高くなる。

ただし、

顔を覚えられている=会話が始まる

とは限らない。

ここは一人客にとって重要なところだ。

顔を覚えられても話さなくていい

一人で静かに食べたい人にとって、

「常連になると店員と話さなければならないのでは?」

という心配があるかもしれない。

でも、そんな決まりはない。

店に入る。

軽く挨拶する。

注文する。

食べる。

会計する。

「ごちそうさまでした」と言って帰る。

これだけでも十分だ。

店員から見れば顔なじみでも、毎回長く会話する必要はない。

むしろ、

「顔は知っているけれど、お互い必要以上に踏み込まない」

という関係は、一人飯ではかなり快適だと思う。

20回になると自分のほうが意識し始める

20回も同じ店へ行けば、自分自身が店との関係を意識し始める。

「また来たと思われるかな」

「いつも同じものを注文しているな」

「今日は違うメニューにしたほうがいいかな」

そんなことを考えることもある。

しかし、考えすぎなくていいと思う。

飲食店は食事をする場所だ。

気に入った店へ何度も行くことは自然なことだ。

毎回同じ料理が食べたいなら同じものを注文していい。

無理に変える必要はない。

常連らしい行動を演じる必要もない。

普通に利用し続けた結果として常連になる。

そのくらいが一番自然だ。

そして30回

では30回通ったらどうだろう。

週1回なら約7か月。

週2回なら約3〜4か月。

月1回なら2年以上かかる。

同じ30回でも、期間がまったく違う。

週2回のペースで数か月通えば、同じスタッフと何度も会う可能性は高い。

一方、2年以上かけて30回なら、スタッフが入れ替わっていることもある。

だから、

「30回なら絶対に顔を覚えられる」とは言えない。

それでも小規模な店で、似た時間帯に30回通い、同じスタッフと頻繁に会っているなら、顔を認識されていても不思議ではない。

覚えられやすい客には特徴がある?

顔を覚えられるかどうかには、来店回数以外にも条件がありそうだ。

例えば、いつも一人。

いつも同じ時間。

いつも同じ席。

いつも同じ料理。

毎回きちんと挨拶する。

特徴的な注文をする。

こうした「一定のパターン」があると記憶に残りやすいだろう。

一人客ということ自体も特徴になる場合がある。

4人グループの中の一人より、毎回一人で来る客のほうが「一人で来るあの人」として認識されることも考えられる。

ただ、覚えてもらうために何か特別な行動をする必要はない。

SoloEat的には、

覚えられることを目的に店へ行かない

くらいがちょうどいい。

店員の反応が少し変わることもある

何度も通っていると、小さな変化を感じることがあるかもしれない。

入店した瞬間の表情。

挨拶。

席への案内。

注文するときの反応。

「いつもありがとうございます」の一言。

こうしたものから、

「やっぱり覚えられているのかな」

と感じることがある。

ただし、ここでも断定しすぎないほうがいい。

接客が丁寧なだけかもしれない。

全員に同じように接している可能性もある。

だから店員のちょっとした反応を一つ一つ分析するより、

自分がその店で快適に食べられるか

を重視したほうがいい。

「いつものですね」と言われたら常連?

毎回同じメニューを頼んでいると、いつか、

「いつものでいいですか?」

と言われる日が来るかもしれない。

これはかなり常連感がある。

自分の顔だけでなく、注文まで記憶されているからだ。

うれしい人もいるだろう。

少し恥ずかしい人もいるだろう。

「そこまで覚えられたくなかった」と思う人もいるかもしれない。

どの感覚でもいい。

一人飯では、店との距離感にも好みがある。

店員と仲良くなりたい人もいれば、

顔だけ覚えてもらって、静かに食べたい人

もいる。

一人客にとって最高なのは「説明しなくていい店」かもしれない

同じ店へ30回通う最大のメリットは、常連として扱われることではないと思う。

むしろ、

自分が店について考えなくてよくなること

ではないだろうか。

今日は一人でも大丈夫かな。

注文方法は?

何を頼もう。

どこへ座ろう。

会計はどうする?

初めての店では小さな判断がたくさんある。

30回通った店なら、それがほとんどない。

店へ行く。

座る。

頼む。

食べる。

帰る。

この気楽さは大きい。

店員と友達にならなくても「居場所」になる

常連という言葉から、

「店主と仲良し」

「店員と世間話をする」

「裏メニューを知っている」

といったイメージを持つことがある。

でも、それだけが常連ではない。

30回通っている。

顔を覚えられている。

でもほとんど話さない。

それでもいい。

店員は自分の名前を知らない。

自分も店員の名前を知らない。

それでも顔だけは知っている。

この関係は、

「知っている他人」

とでも言えばいいのかもしれない。

一人飯では、このくらいの距離が非常に心地いい場合がある。

30回の次は50回、100回

30回まで通った店なら、50回もそれほど遠くない。

さらに100回。

300回。

500回。

1000回。

回数を重ねるほど、店との関係はどう変化するのだろう。

30回では顔だけ。

50回では注文まで覚えられる。

100回では完全に常連。

そんな単純な段階になるとは限らない。

100回通ってもほとんど話さない関係もあるだろう。

それが面白い。

来店回数と心理的な距離は必ずしも比例しない。

ここは一人飯を長く続けるうえで、一つの観察テーマになりそうだ。

店側ではなく自分が変わっている

30回通ったとき、

「店員は自分を覚えただろうか?」

と考える。

でも、本当は別の変化のほうが大きいのかもしれない。

自分がその店に慣れた。

一人で入ることに慣れた。

注文に迷わなくなった。

周囲の視線を気にしなくなった。

店員との適度な距離感もわかってきた。

つまり30回という数字は、

店員が自分を覚えるまでの回数ではなく、自分が店を完全に日常化するまでの回数

とも考えられる。

結論|30回で大切なのは「覚えられたか」より「気楽に入れるか」

同じ店に30回通うと、店員に顔を覚えられるのか。

答えは、

覚えられている可能性は十分ある。でも30回なら必ず覚えられるとは限らない。

になる。

小さな店。

同じ曜日。

同じ時間帯。

同じスタッフ。

こうした条件なら比較的早く覚えられることもあるだろう。

大型店でスタッフが多ければ、30回でもそれほど認識されない可能性もある。

しかし、一人飯をする側にとって本当に重要なのはそこではない。

30回通った結果、

一人で気軽に入れる。

何を注文するか迷わない。

店の雰囲気を知っている。

店員と無理に話さなくてもいい。

静かに食べて帰れる。

そんな場所になっていたら、それだけで十分ではないだろうか。

常連とは、店員と仲良くなった人ではなく、「今日はどこで食べよう」と悩んだとき、自然に足が向く店を持っている人なのかもしれない。

30回は、その店が「知らない店」から「いつもの店」へ変わり始める、ちょうど面白い境界線だ。

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