駄菓子コーナーの片隅で、さりげなく積まれていた赤と白の小さな箱。
「サイコロキャラメル」。
子どもの頃には当たり前すぎて、その価値に気づかないまま育ってしまったけれど、大人になって振り返ると、あれはかなり完成度の高い“食のプロダクト”だったと思う。
ここでは、サイコロキャラメルを
「味」「形」「遊び心」「記憶」
の4つの視点から、SoloEatらしく徹底分析してみる。
1. 味：あの素朴さは「ちょうどいい甘さ」
まずは味。
濃厚な生キャラメルや高級ショコラと比べると、サイコロキャラメルの味は驚くほど素朴だ。
舌にまとわりつくようなコクよりも、牛乳と砂糖のストレートな甘さ。
噛むと少し歯にくっつく、あの懐かしい質感。
大人になった今でも、あの甘さは「疲れたときに2粒だけ食べたい味」だと思う。
爆発的な感動ではないけれど、日常の中にそっと差し込まれる、小さな救いみたいな糖分。
2. 形：サイコロ型パッケージの完成度
次に形。
サイコロキャラメル最大の特徴は、“食べ物なのに玩具の顔をしている” ことだ。
・転がせる
・目の数で遊べる
・箱を開ける動作そのものがちょっとしたイベント
普通のお菓子は「開けて食べて終わり」だが、サイコロキャラメルは
「遊ぶ → 開ける → 食べる」 という3ステップ構造になっている。
子どもの頃、友達と
「出た目が奇数ならオレの勝ち」「ゾロ目が出たらもう1個」
なんてルールを勝手に作って遊んだことがある人もいるはずだ。
お菓子そのものより、その周りに生まれたミニゲームの記憶が強く残っている。
3. 遊び心：大人になっても写真映えするデザイン
サイコロキャラメルは、今見てもデザインが妙にかわいい。
シンプルな赤と白、分かりやすいサイの目。
駄菓子なのに、ミニマルデザインとしてかなり洗練されている。
テーブルの上にポンと置くだけで、
・レトロ
・昭和
・ノスタルジー
といった雰囲気が一気に立ち上がる。
大人になった今なら、
コーヒーと一緒に1箱だけ並べて写真を撮る、
そんな「ソロおやつ時間」の演出にも使える小道具だ。
4. 記憶：人それぞれのストーリーを呼び起こす
サイコロキャラメルは、単なるキャラメルではなく
- 親に買ってもらった嬉しさ
- 遠足のバスで友達と分け合った時間
- 駄菓子屋のレジ横で最後にねじ込んだ一品
…といった 「個人の物語のトリガー」 になっている。
味や形の分析も面白いが、一番の魅力はここかもしれない。
あの箱を見ただけで、頭の中で一気に当時の匂い・空気・声が蘇る。
だからこそ「今さら食べなくてもいいけど、消えてほしくはないお菓子」になっている。
SoloEat的まとめ
- 味：派手さはないが、疲れたときにちょうどいい 優しい甘さ
- 形：転がせる・遊べる、サイコロ型パッケージの完成度が異常に高い
- 遊び心：ミニゲームの主役にも、レトロ雑貨としても使える
- 記憶：一人ひとりの「小さな物語」を呼び出すスイッチ
サイコロキャラメルは、単なる駄菓子以上の存在だ。
昭和・平成を生きてきた人にとっては、小さなキューブに詰め込まれた自分史の一部でもある。
たまにはコンビニや通販で見かけたとき、1箱だけ手に取ってみよう。
キャラメルを口に入れた瞬間、
きっとあなた自身の「サイコロみたいに転がる記憶」が、そっと再生されるはずだ。
コメント