2020年代、ペプシ メガ〈生〉ゼロ 1.5Lが近所の店でよく売り切れていた話

Solo Grab & Eat(買って食べる)

2020年代、近所の店に行くたびに、同じ光景を何度も見た。
サントリーのペプシ メガ〈生〉ゼロ コーラ 1.5Lだけが、棚から消えている。

水もある。
お茶もある。
普通のコーラも残っている。
それなのに、メガ生ゼロだけが、きれいに無い。

最初は偶然だと思った。
でも、何度行っても同じだった。
仕事帰りの夜でも、休日の昼でも、
なぜかその場所だけ、ぽっかり空いている。

理由は、なんとなく分かる。
2020年代は、

  • 在宅時間が増え
  • ひとりで過ごす時間が長くなり
  • 「飲み物」に求める役割が変わった時代だった。

ペプシ メガ〈生〉ゼロ 1.5Lは、
喉を潤すための飲み物というより、
気分を保つための道具に近かった。

甘いけど、カロリーはゼロ。
刺激はあるけど、重すぎない。
一気飲みもできるし、
数日に分けて付き合うこともできる。

しかも1.5Lというサイズが絶妙だ。
500mlだと足りない。
2Lだと持て余す。
1.5Lは、「ひとり生活の現実」にちょうどいい。

棚から消えているのを見て、
「みんな同じような生活をしているんだな」と思った。
誰かと集まるためじゃない。
パーティーのためでもない。
それぞれが、それぞれの部屋で飲んでいる。

そう考えると、少しだけ安心した。

店員に聞いたわけでも、
データを調べたわけでもない。
ただ、何度も売り切れていた。
それだけが、事実だ。

たまに入荷した日に当たると、
なぜか得した気分になる。
冷蔵庫に入れた瞬間、
「今日は大丈夫だ」と思える。

別に、特別おいしいわけじゃない。
高級でもない。
でも、2020年代の生活には、
このゼロコーラがちょうどはまっていた。

夜、静かな部屋で、
氷を入れたグラスに注ぐ。
炭酸の音だけが響く。
誰とも話さなくても、
その時間がちゃんと成立する。

だから、売り切れていたのだと思う。
みんな、同じように、
静かに、何かを保とうとしていた。

2020年代、
ペプシ メガ〈生〉ゼロ 1.5Lが
近所の店でよく売り切れていた。

それは流行というより、
時代の生活音みたいなものだった。

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