42.195kmという距離は、ただ走るだけでは完走できない。
マラソン経験者なら誰もが知っているように、途中で水分とエネルギーをどう補給するかが生死を分けるポイントだ。
では、トップランナーや市民ランナーは実際に走りながら何を飲んでいるのか?
ウォーターだけ?ポカリ?それとも何か特別なドリンク?
SoloEatらしく、身体と栄養の観点から掘り下げてみたい。
■ マラソン中、ランナーが飲むものの基本は「スポーツドリンク」
給水所で最も一般的に置かれているのは スポーツドリンク(電解質入り)。
汗で失われるナトリウム・カリウムが補給でき、糖質が素早くエネルギー源になる。
水だけでは足りない理由は単純で、汗を大量にかくと体内の塩分が失われ、筋肉が痙攣しやすくなる。
「水を飲んでるのに足がつる」のはこのパターンが多い。
つまりマラソンの補給ドリンクは 水分+糖+電解質の補給がセット。
市民マラソンでも、アクエリアス・ポカリスエット・ヴァーム・OS-1系が定番だ。
■ 上級者は「エネルギー入りドリンク」で脚を守る
プロや本気勢になると、さらに踏み込んだ補給法に変わる。
走る間、体は 1時間に500〜800mlの水分と、40~90gの糖質を必要とすると言われている。
後半のエネルギー切れ=俗にいう「30kmの壁」を越えるためには、胃に負担をかけずにチャージできる液体が理想。
・マルトデキストリン入りドリンク
・ジェルを溶かした高糖質ドリンク
・コーヒー入り(カフェインで集中力維持)
・アミノ酸系ドリンク(回復サポート)
トップ選手の多くが 自作エネルギードリンクをボトルで持つことも珍しくない。
■ 給水所の裏側:水とスポドリの使い分け
実はランナーの多くが 水+スポドリの併用をしている。
- スポーツドリンク → エネルギー補給・電解質補給
- 水 → 口の中をリセット・甘さの調整
ずっと甘いものを飲んでいると胃に重くなるので、途中で水を挟むことで体が楽になる。
フルマラソンの後半は胃の調子がレースの結果に直結するため、この調整が重要になる。
■ 走りながら飲むって難しくない?
初心者ほど紙コップを持って飲むのに苦労する。
プロのように走りながらこぼさず飲むコツがある。
- コップを軽く潰して口をすぼめる形にする
- 大量に飲もうとせず、ひと口ずつ
- 歩かずに飲むならほんの少しペースを落とす
「止まらずに飲める=強者」ではない。
完走が目標なら歩きながら飲む方が安全で結果的に速い。
■ SoloEat的まとめ
- マラソン中に飲むのは 水よりスポーツドリンクが基本
- 中級以上は 糖質入りエネルギードリンクを活用
- 水だけだと低ナトリウム症や痙攣のリスク
- 「飲みながら走る」は技術、慣れればできる
- 42kmの壁を越える鍵は 補給戦略=食事の延長
走ることは体で、完走は補給で決まる。
フルマラソンは「運動」だけでなく「食べ物と飲み物の科学」でもある。
今日、コンビニでスポドリを見る目が少し変わるかもしれない。
次のトレーニングではこう呟いてみてほしい。
「水だけじゃ足りない。エネルギーも飲み込む。」
走ることも、飯と同じように奥が深い。


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