前橋での用事を終えて、なんとなくお腹が空いた夕方。
「今日はひとりでゆっくり食べたいな…」と思った瞬間、頭の中にふっと浮かんだのが かっぱ寿司 だった。
派手すぎず、静かすぎず、でも気を遣わなくていい回転寿司。
ひとり外食のハードルが驚くほど低い場所だ。
店に入ると、夕方前の時間帯で店内はほどよく空いていた。
受付の機械で「1名」を押して、案内されたのはいつも通りのカウンター席。
両側に誰もいない、一番落ち着く席だった。
「何皿いこうかな…」
ひとりだからこそ、好きなように決められる。
誰かに合わせる必要もないし、食べる順番すら自由。
今日は 10皿 と心の中で決めて、タッチパネルを開いた。
1皿目はサーモン。
回転寿司で最初に頼むのはだいたいこれだ。
脂がすっと溶けていく感覚が、胃をゆっくり起こしてくれる。
ひと口食べただけで、今日の選択が正しかったと確信した。
2皿目、3皿目と進むたびに、自然と肩の力が抜けていく。
ひとりで食べていると、味に集中できる。
まわりの会話も気にならないし、食べるペースも自分だけのもの。
“誰かに合わせない時間” が、これほど心地よいものだったとは。
4皿目はえんがわ。
前橋の店舗は新鮮さが安定していて、コリッとした歯ごたえがうれしい。
好きなネタを迷わず選べるのも、ひとりの強みだ。
カウンター席の目の前を、皿を乗せた新幹線がスーッと通り過ぎる。
寿司が到着するたびに、「お、きたきた」とひとりで嬉しくなる。
他人と共有する必要がない喜びというのも、不思議と悪くない。
6皿目を食べる頃には、気分は完全に“ひとり時間モード”。
店内は静かで、ほどよく明るい。
回転寿司は、ひとりでも浮かない外食の場所として本当に優秀だと思う。
7皿目は炙りサーモン。
香ばしさと少しの脂。
ありがちなネタだけど、これがまたほっとする。
8皿目、9皿目と食べすすめて、ラスト10皿目はまぐろで締めた。
「ひとりで10皿食べた」という事実が、小さな達成感として胸に残る。
誰に褒められるでもないけれど、こういうひとりの満足感が、最近は何より大切だと感じる。
かっぱ寿司の10皿は、たぶん誰から見たら「ちょっと食べた」くらいの量だろう。
でも今日の10皿は、自分にとっては“ひとり外食の幸福”そのものだった。
前橋の店舗は広くて清潔で、ひとりで食べても気まずくない空気がある。
ひとり飯に慣れていなくても入りやすいし、気を遣わずに食べたい時には最強の場所だ。
帰り道、満腹のお腹を抱えながら思った。
「ひとりで外食するのって、こんなに自由で、こんなに気持ちがラクなんだな。」
また近いうちに、前橋のかっぱ寿司で10皿食べよう。
次はどのネタから始めようか。それを考えるだけで少し楽しくなる。


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