IT企業の社員食堂のしょうゆラーメンの食べ過ぎで、午後は腹が痛い

Solo Eating Out(ひとり外食)

IT企業に勤めていた頃、社員食堂のラーメンは、わたしの密かな楽しみだった。
外に出ずに温かい昼飯が食べられることが、あの頃の小さな幸福。忙しい日ほど、汁の湯気と醤油の香りが心にしみた。あの定番メニュー、「しょうゆラーメン」。値段は安く、味は素朴で、鶏ガラの香りと少し甘みのあるスープ。気づけば週に3回どころか、ほぼ毎日頼んでいた時期もあった。

ただ、ある日のこと。
その日はなぜかいつもより腹が減っていて、「大盛り」に加えサイドで唐揚げまでつけた。勢いよく麺をすすり、スープまで全部飲み干したときは「最高だ」と思った。ところが、その午後。会議中にじわじわと腹が痛みだした。キリキリと、刺すような痛み。イスに座っていても姿勢を変えないと耐えられない。資料に目を向けながら、頭の中はほぼ100%「腹、やばい」。

社員食堂のラーメンは美味しい。でも、油が多い日もある。大盛りにした分、塩分も脂も多くなり、午後のパフォーマンスに直撃したのだろう。軽く後悔しながら会議室の隅で耐えた時間は、いま思えばちょっと笑える思い出だ。

それでも次の日になると、また食べてしまう。きっと、人間は学習する生き物だけど、欲望には勝てない生き物でもある。特にラーメンは魔物。シンプルなのに中毒性がある。午後の腹痛が頭をよぎりつつも、窓口で食券を差し出してしまう自分がいたのだ。

思い返すと、あの頃の生活は仕事中心で、食事はリズムの中心にあった。社員食堂の味は、忙しい日々の慰めみたいなものだった。今は個人で自由に働く時間も増え、昼ご飯も店を選べる。でも、あの不器用な働き方とラーメンの湯気の記憶は、今も忘れられない。

もし今の自分に言うなら、こう言いたい。
「大盛りはやめろ。午後に大事な会議がある日は特に。」
だが、また同じ状況になったら、多分わたしは同じように頼む。ラーメンとは、そういう存在だと思う。

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