【社員食堂ランチ】IT企業のしょうゆラーメンが意外と美味かった話

Solo Eating Out(ひとり外食)

派遣先のIT企業で働いていた頃、毎日のお昼休みだけが小さな楽しみだった。案件は忙しく、朝から仕様書とSQL、資料作成で頭がパンパン。でも時計が12時を少し過ぎると、フロア全体がふっと緩む。皆が一斉にカードキーを片手にエレベーターへ向かい、社員食堂へと流れていく。
その流れに混じって、僕も自然と足が向いた。目当ては——しょうゆラーメンだ。

■ スープをすするだけで肩の力が抜けた

トレーを持って列に並ぶと、湯気が立ちのぼる香りがまず鼻をくすぐる。出汁と醤油が合わさった、シンプルだけど飽きない香りだあ。
正直、社食のラーメンに大きな期待はしていなかった。でも一口すすった瞬間、「おっ」と思った。塩分控えめで、やさしくて、喉にするっと入っていく。雑味がない。
あの感じは、どこか学生時代の学食を思い出させる素朴さがあった。

麺は細めのストレートで、柔らかめ。好みは分かれそうだけど、仕事の合間に食べるには優しい食感だった。スープを吸って、最後までゆっくり味わいたくなる。ネギ、チャーシュー、メンマが載っていて、値段は確か450円前後。社食価格、ありがたい。

■ ひとりで食べやすい環境が最高だった

席は広く、全員がひとりでさっと食べて戻るから、視線が気にならない。
黙々とラーメンをすする音。カタカタ鳴るPCの余韻なのだ。
仕事の合間にひと息つく空気が、なんとも心地よかった。

「ラーメン一杯で午後を戦える気がする」
当時の僕はそんな気持ちになっていた。多分あの一杯が、仕事へのメンタル回復剤だったんだと思う。

■ 仕事が辛い日ほど、ラーメンがうまい

バグが取れなかった日も、レビューで赤字まみれだった日も、食堂へ降りると気持ちがリセットされた。
ラーメンをすすりながら、
「午後は進められるところまでやろう」
「帰ったらジムに行こう」
そんな風に気持ちを切り替えられた。

ラーメンに励まされることがあるなんて、あの頃の僕は思ってもみなかった。

■ まとめ

  • シンプルで優しいしょうゆ味
  • 社食ならではの価格と気軽さ
  • ひとりで深呼吸できるランチ時間
  • 忙しい日こそ沁みる一杯

あのラーメンを思い出すと、また頑張れた頃の自分を思い出す。
大げさかもしれないけれど、社食のラーメンは働く人の背中をそっと押す味なのかもしれない。

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