自宅のジムの物置で、休憩中にバナナを食べた。
たったそれだけのことなのに、今日いちばん心が落ち着く瞬間だった。
物置は狭くて、トレーニング器具の一部が置かれているだけの地味な空間だ。
けれど、汗が少しずつ引いていくあのひんやりした空気と、
誰も来ない静けさが、なぜか妙に落ち着く。
外の生活音も、スマホの通知も、ここまでは届かない。
まるで世界から一時的に切り離されたみたいに感じられる。
ジムと呼べるほど立派な場所じゃない。
ダンベルとベンチ、スミスの代わりに置いてある簡易ラック。
それでも、ここは自分だけのトレーニング場所で、
誰にも気を使わずに、好きなタイミングで好きなセットができる。
フォームが崩れても、息が上がっても、誰にも見られていない。
それがまた、気楽でいい。
今日はスクワットとデッドリフトの軽いメニューだった。
3セット目が終わったあたりで、
「少し糖分を入れておくか」と思って物置に戻り、
置きっぱなしにしていたバナナを1本取り出した。
バナナは筋トレ中の補給としてはかなり優秀で、
・吸収が早い炭水化物
・カリウムで筋肉の働きを助ける
・自然の甘さで食べ疲れしない
これだけ揃っていて、しかも安い。
高価な補給食より、こういう身近な食べ物のほうが結局続く。
皮をむいて一口かじると、甘さがちょうどよかった。
トレーニングで使ったエネルギーを静かに取り戻していくような感覚。
重たい鉄の匂いと、バナナの柔らかい香りって、意外と相性がいい。
物置の薄暗い照明の下で、ひとりでゆっくり咀嚼していると、
「こういう時間が好きなんだよな」とふと思った。
派手なものはいらないし、誰かと話す必要もない。
ただ、自分のペースで、必要なものを必要なだけ補給するだけの時間。
それだけで気持ちがリセットされていく。
世の中には“効率がいい休憩”とか“科学的に正しい筋トレ”とか、
いくらでも情報があるけれど、
結局、自分にとって心地いい時間が一番効果があると思う。
今日のバナナ休憩は、まさにその「心地いい時間」だった。
再びラックの前に戻れば、また普段通りのルーティンに戻る。
けれど、物置での数分間のバナナ休憩は、
トレーニング以上に、自分を整えてくれた気がした。
こういう“ひとり時間”が積み重なって、
少しずつ毎日が良くなっていけばいいなと思う。


コメント