親戚の2階でゲームしながら寿司を食べた午後|ひとり時間の贅沢

Solo Home Meals(家でひとりごはん)

親戚の家の2階に入ると、昔から変わらない匂いが鼻をくすぐる。古い木の階段、少し湿ったカーペット、そして年季の入った押し入れの香り。その全部が混ざって“実家ではないのに懐かしい空気”を作っている。その部屋に座り込んで、ひとりでProject DIVAを起動した瞬間、現実の時間がゆっくりと後ろに下がっていくようだった。

2階の部屋は、学生時代から何度も泊まった思い出の場所だ。家具もレイアウトもほとんど変わらないまま、古いテレビの前に座布団を置いて、ゲーム機をつないでみる。窓から入る午後の光が、埃をふわりと照らす。部屋の静けさにディーバのリズムが流れ込み、ひとりなのに、不思議と時間が満たされていく感覚。

ゲームの曲を選んでいると、階段を上がる音がして、親戚のおじさんが「寿司あるぞ」とパックを置いていってくれた。遠慮も気遣いもいらない距離感。こういうのが親戚の家の良さだと思う。ふたを開けると、マグロ、サーモン、玉子、いくらがきれいに並んでいる。高級じゃないけど、ちゃんと美味しそうな寿司。ひとりで気兼ねなくつまめるのが、なんとなく贅沢だった。

ディーバをプレイしながら、玉子をひょいと食べる。ゲームをしながら寿司なんて、家ではあんまりやらない。でも親戚の家の2階なら許される気がする。ここは日常と非日常のあいだみたいな場所で、ひとりでも変に寂しくならない。むしろ、静けさと懐かしさが混ざって、落ち着いた“ソロ時間”になる。

曲の難易度が上がるたびに集中するけど、横にある寿司が気になって手が出る。サーモンを口に運んで、またゲームに戻る。そのリズムが妙に心地いい。ひとりで遊び、ひとりで食べ、ひとりで満足する。ソロ飯の良さは、こういう“自分だけのペースで完結する贅沢”なんだと改めて思った。

部屋の窓を見ると、いつの間にか夕日の色になっていた。オレンジ色の光が部屋の壁に広がり、寿司のパックに静かに影を落とす。あと1貫だけ残ったマグロをゆっくり口に入れた。ディーバの曲が流れ、部屋の時計の音が遠くでコツコツと響く。

誰もいない2階。だけど、ひとりが寂しいわけじゃない。むしろ、周りの雑音がないぶん、ゲームの音、寿司の味、部屋の匂い――全部が鮮明に感じられる。昔は家族や従兄弟たちとワイワイ遊んだ場所で、今は自分だけが座っている。だけど、そのギャップすら心地いい。

帰り際、部屋の電源を落として立ち上がった。階段を降りると、日常がまた戻ってくる。でも、たった1〜2時間の時間が、心のどこかをふっと軽くしてくれた。親戚の家の2階で、ディーバをして寿司を食べただけ。それだけのことなのに、妙に満たされたソロ時間だった。

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