正直に言うと、最初から「12人分食べるぞ」と決めていたわけではない。
ステーキガストの食べ放題を前にしたとき、頭にあったのはただ一つ、
**「自分は、今どこまで食べられるのか」**という確認だった。
動画を撮るわけでもなく、誰かに見せるつもりもない。
ただ、ひとりで静かに、自分の限界を確かめてみたかった。
なぜステーキガストだったのか
ステーキガストは、いわゆる“大食い向け専門店”ではない。
ファミレスで、家族連れや仕事帰りの人が普通に食事をする場所だ。
だからこそ、ここでどれだけ食べられるのかには意味がある。
高級ステーキではない。
脂も強すぎず、味付けも極端じゃない。
「量に向き合う」には、ちょうどいい条件が揃っていた。
序盤|3人分までは余裕だった
最初の1皿、2皿は正直ウォーミングアップに近い。
肉は柔らかく、噛むリズムも崩れない。
3人分を食べ終えた時点で、胃袋にはまだ余白がある。
ただ、この時点で一つ分かったことがある。
ペースを上げすぎると後半で確実に詰む。
ここからは「食べる」ではなく「管理する」感覚に切り替えた。
中盤|6人分を超えたあたりから現実が見えてくる
5人分、6人分と重ねていくうちに、身体の反応が変わってきた。
満腹というより、単調さによる疲労が出始める。
味に新鮮味はない。
噛む回数は増え、水を飲む量も自然と多くなる。
ここで無理に肉だけを詰め込むと、確実に終わる。
そこでサラダバーを挟み、スープで口と身体を一度リセットした。
この「間」を作ったことが、後半につながったと思う。
終盤|10人分を超えた先は、メンタルの領域
10人分を食べた時点で、身体的にはかなり満ちている。
それでも不思議なことに、まだ入る。
ただし、ここからは楽しくない。
味を楽しむ余裕はなく、
「次をどう処理するか」だけを考える時間になる。
満腹感と向き合いながら、淡々と食べ続ける作業だ。
12人分に到達した瞬間、達成感はあった。
だが、爽快感はない。
残ったのは、静かな疲労と、「今日はここまでだな」という納得感だった。
食べ終えた後に思ったこと
12人分食べたからといって、人生が変わるわけじゃない。
誰かに褒められることもないし、何かを得た実感も大きくはない。
ただ一つ言えるのは、
自分の限界を数字として把握できたということだ。
それは意外と悪くない体験だった。
ステーキガストの食べ放題は、
無謀な挑戦の場ではなく、
冷静に向き合えば「自分を知る場所」になる。
次にまた挑戦するかと言われたら、しばらくは遠慮したい。
でも、この日を無駄だったとは思っていない。


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