2023年、私は時々「すたみな太郎 高崎店」に足を運んでいた。
学生時代から馴染みのあるチェーン店ではあったけれど、
高崎店は他の地域とは少し違う空気を持っていた。
“家族連れや学生グループで賑わう食べ放題”というイメージを覆す、
独特の“静かなにぎやかさ”がそこにはあった。
店の入り口をくぐると、まず感じるのは開放感。
席の間隔が広く、照明も明るすぎず落ち着いている。
平日の夜でも、休日の昼でも、席の埋まり方に偏りがなかった。
そして何より驚いたのは、
👉 ソロ客が全体の過半数を占めていたことだ。
焼肉食べ放題といえば、一般的にはグループが主役だ。
しかし高崎店では、ひとりで焼肉を楽しんでいる人が目立っていた。
黙々と肉を焼き、静かに寿司をつまみ、最後にアイスを取っていく。
とくに男性のソロ客が多かったが、
ノートPCを開いて淡々と食べる女性もいた。
群馬らしく、車でひとりで来て、
「今日は好きに食べよう」という雰囲気で入店しているように見えた。
すたみな太郎の魅力は“選択肢の自由さ”にある。
焼肉、寿司、ラーメン、揚げ物、デザート。
自分のペースで、自分の気分のままに取ってこれる。
誰かと合わせる必要がなく、
気を使わずに“ひとり空間”を作りやすい。
その自由さがソロ客の心に刺さったのだろう。
高崎店のレーンの前に立つと、
焼き上がったばかりの肉が静かに並んでいる。
その前でひとり、トングを持って迷う時間が楽しい。
隣では別のソロ客が、
同じように迷いながら皿に肉を盛っている。
会話は無いのに、どこか共通の安心感がある。
「ひとりでも、ここでは浮かない」という暗黙の了解のようなものがあった。
私はいつも決まって、
焼肉→寿司→カレー→アイス
という謎のルーティンを楽しんでいた。
ソロだからこそ恥ずかしくもなく、気を使う必要もない。
食べ放題という“自由なステージ”で、
完全に自分だけの時間が流れる。
店員の対応も、ソロ客に優しい。
淡々としていて、必要以上に話しかけてこない。
追加の皿を下げる時も、距離感を保ってくれる。
この“干渉されない優しさ”が、
ソロ客のリピートを増やしていたのかもしれない。
2023年を振り返ると、
すたみな太郎 高崎店は私にとって
“ひとりのための大食堂”のような場所だった。
グループが主役の食べ放題の世界で、
ここだけはソロが自然に混ざっている。
むしろ、ソロが常識として受け入れられている。
焼肉をひとりで焼く時間は、
自分の心を少しだけ整えてくれる。
周りの音に紛れながら、
自分のペースでじっくり食べる心地よさ。
それがこの店には確かにあった。
✔ 2023年の高崎店は、ソロ客が過半数でもまったく違和感がない食べ放題だった。
ひとりで食べる自由さを肯定してくれる店だったと思う。
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