40代になってから、ようやく “焼肉食べ放題デビュー” をした。
行ったのは、名前からして強烈な存在感のある ぷるぷるホルモン 元総社本店。
若い頃から何度も店の前を通っていたのに、なぜか一度も入ったことがなかった。
理由はシンプルで、「食べ放題＝若者たちのワイワイした空間」というイメージが強く、40代の自分が一人で行くにはハードルを感じていたからだ。
でも最近、ひとり外食に対する価値観が大きく変わった。
誰かに合わせるより、自分のペースで食べたいものを食べるほうが、心が軽くなる。
仕事も家のことも、40代は何かと忙しい。だからこそ、食事くらいは“自分のための時間”にしたくなった。
そんな流れで、ある日の夕方、「今日こそ入ってみよう」と決めた。
店に入ると、第一印象は意外にも “落ち着いている”。
もっと騒がしい場所かと思っていたが、客層は幅広く、大人のグループも多かった。
一人で来ている人もチラホラいて、それだけで安心感が広がる。
店員さんの接客も丁寧で、「一人です」と伝えても全く気まずくない雰囲気だったのが嬉しかった。
席に案内され、メニューを開くと、ホルモンを中心とした食べ放題ラインナップがかなり並んでいる。
特に “ぷるぷるホルモン” の写真は反則級だ。
名前の通り、脂が乗っていて、網に乗せる前からぷるぷる感が伝わってくる。
最初の注文は、ホルモン・カルビ・豚トロ・キムチ・ご飯。
鉄板に火が入り、ホルモンから脂がじゅわっと溶け出した瞬間、食欲が一気に高まった。
40代になると油っぽい焼肉がキツくなることもあるが、ここのホルモンは新鮮で、脂が軽い。
噛むほどに甘さが出て、しつこさを感じない。これは嬉しい誤算だった。
カルビも厚みがあり、食べ応えがあるのに重くない。
豚トロも香ばしく、塩で食べてもタレで食べても旨い。
気づけば夢中で焼き続け、焼ける音と香りを楽しみながら、ひとり焼肉の時間に完全に浸っていた。
途中、ふと周りを見ると、家族連れもいれば仕事帰りの男性グループもいる。
年齢層はまちまちだが、みんな自分のペースで焼肉を楽しんでいる。
「40代で食べ放題はどうなんだろう？」という不安は、気づけば消えていたのだ。
むしろ、40代になった今だからこそ、
食事に“自由”や“心地よさ”を求める気持ちが強くなっている気がする。
たとえば、無理に若者向けの店を避ける必要もないし、
「ひとりで焼肉なんて」と思われることを気にする必要もない。
自分が食べたいものを、自分のペースで味わう。
その行為自体が、年齢を重ねた自分へのご褒美のように感じる。
食べ終わる頃には、満腹感より “満足感” のほうが勝っていた。
ぷるぷるホルモンの旨さはもちろん、店の雰囲気、接客、ひとりでも居心地がいい空気。
どれもが想像以上で、「もっと早く来ておけばよかった」と思えるほどだった。
40代で迎えた“初めての焼肉食べ放題”。
それは、ただ肉をたくさん食べた日ではなく、
「ひとりでも楽しんでいい」という気持ちを後押ししてくれる、小さなターニングポイントだった。
また近いうちに行こうと思っている。
今度は違う部位も試してみたいし、サイドメニューも開拓したい。
一度ハードルを越えると、世界は驚くほど広がる。
ひとり焼肉食べ放題は、40代からでも十分に楽しめる。むしろ今のほうが楽しいくらいだ。
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