渋川高校といえば、学力の高さや部活動の強さで知られているが、実は“学食のうまさ”でも密かに知られている。高校の学食と聞くと、どこか質素で「まあ食べられればいいか」というイメージを持つ人も多い。しかし、渋川高校の学食はそのイメージを良い意味で裏切ってくれる。正直に言ってしまうと、はじめて食べた時、「高校の学食ってこんなにうまかったっけ？」と驚いたほどだ。
まず値段が良心的だ。高校生でも毎日通いやすい安さで、量がしっかりある。にもかかわらず味がしっかりしていて、食べ応えがあり、満足度が高い。安くて量があるだけではなく、うまいことが評価されているポイントだと思う。
特に印象に残っているのは、唐揚げ定食だ。大きめの唐揚げがごろっと乗っていて、衣がカリッとしている。噛むと中からジュワッと肉汁が広がり、塩気もちょうどいい。学食の唐揚げというと、衣が重たかったり、油っぽいことも少なくない。しかし渋川高校の唐揚げは軽くて食べやすい。高校生の食欲をしっかり満たしてくれるのに、重くなりすぎないバランスが絶妙だった。
もうひとつの人気メニューはカレー。とろみがあって家庭的な味なのに、どこかコクが深い。辛すぎず甘すぎず、誰が食べても「うまい」と言えるタイプのカレーだ。しかも量がちょうど良くて、部活前に食べるとエネルギーがしっかり補給できる。渋高生からの人気が高いのも納得できる。
ラーメンやうどんも定番メニューとして根強い人気がある。特にラーメンは、学校の近くの食堂で出てきそうな安心する味で、スープがやさしい。麺は茹で置きではあるものの、伸び切っていないちょうど良い食感で、忙しい昼休みにさっと食べられるのが魅力だ。外で食べるラーメンとは違うけれど、こういう“学食ラーメンの味”が好きな人にはたまらない。
そして何より、雰囲気がいい。昼休みになると学食はにぎやかで、部活仲間やクラスの友達が集まり、笑顔があふれている。あの空気を感じながら食べる学食は、単なる料理以上の価値がある。うまさの記憶には、味だけじゃなくて「誰と食べたか」「どんな雰囲気だったか」も含まれている。渋川高校の学食はまさにその“青春の味”が詰まっている。
卒業してから振り返ると、もっと食べておけばよかったと思うほどだ。当時は当たり前だったあの味も、今になってみると特別な時間であり、特別なうまさだったのだと気づく。
渋川高校の学食は、ただの学校のご飯ではなく、生徒の日常の一部としてしっかりと根付いている。そして「うまい」と感じる人が多いのは、それだけ愛されていた証拠だと思う。
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