新宿御苑のスタバに初めて入った日、なぜか少し特別な気持ちだった。
人混みの新宿駅から歩いて10分ほど。喧騒の街から急に木々が増え、空気がすっと軽くなる。ゲートを抜けて芝生が広がる空間に足を踏み入れた瞬間、胸の奥の疲れが溶けていくようだった。たまに吹く風に揺れる葉の音、ベンチで本を読む人、カメラを構える観光客。季節は冬に向かっていたけれど、まだ残る紅葉があちこちに彩りを残していて、その景色に思わず立ち止まってしまった。
園内をゆっくり歩いて、スターバックス新宿御苑店へ。
木のぬくもりを感じる外観で、他のスタバとはどこか雰囲気が違う。大きな窓から差し込む自然光、広い店内、目の前にひらける緑。あの場所にいると「ここは本当に新宿?」と疑いたくなるほど静かで落ち着いていた。
注文したのは 抹茶フロート。
濃いめの抹茶にソフトクリームがゆっくりと溶けて、まるで和菓子とアイスの間のような味わい。ストローで吸うとほろ苦さ、その上に甘さが追いかけてくる。
甘過ぎず大人向けで、緑の景色と一緒に味わうと余計に美味しく感じる。「あぁ、来てよかった」と思わず声に出しそうになった。
一人で来ている人も多くて、パソコンを開く人、スケッチを描く人、ただぼんやり外を眺めている人。
誰もこちらを気にせず、自分のリズムで過ごしている。ソロ活にはこの空気感が心地いいのだ。
私は窓際の席を選んで抹茶フロートを片手に30分ほどのんびり。スマホで少し仕事のメモを書いたり、新しい記事のアイデアを整理したり、ただ景色を眺めたり。時間がゆっくり流れていくのを感じた。
帰り道、入り口付近の大きなイチョウが夕陽に照らされてキラキラ輝いていた。
観光地としての新宿御苑もいいけれど、スタバでのんびり過ごすだけでも十分価値がある。「また来よう」と心の中で決めた。次は季節を変えて、春の桜、夏の濃い緑、初夏の風の日にも来てみたい。
ひとりで過ごす時間って、案外いいものだ。
誰かと来る楽しさもあるけれど、ひとりがくれる静けさと余白を味わえるのは特別だと思う。
抹茶フロートはその時間のご褒美のように感じた。


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